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遺伝子トラップ・エンハンサートラップ法による細胞・組織・器官特異的GFP発現。 (左上)骨格,(右上)表皮上の細胞,(左下)血管,(右下)感覚神経。

小型熱帯魚ゼブラフィッシュ(Danio rerio)は、脊椎動物の発生・器官形成・行動等の複雑な生命現象を遺伝学的に研究するための優れたモデル動物です。しかしながら、比較的新しいモデル動物であるため、1990年代には効率の良いトランスジェネシス法やトランスポゾン技術が開発されていませんでした。我々は、メダカTol2因子が自律的トランスポゾンであることを明らかにし、Tol2を用いてトランスジェニックゼブラフィッシュを効率よく作製する方法の開発に成功しました。さらに、ゼブラフィッシュにおける遺伝子トラップ法・エンハンサートラップ法・Gal4-UAS法の開発に世界にさきがけて成功してきました。これらの方法により、さまざまな組織・細胞・器官で、GFP や酵母転写因子Gal4を発現するトランスジェニックフィッシュの大規模な作製が可能になりました。我々はこれらの方法を駆使して、脊椎動物の行動や、学習・記憶などの脳のはたらきを制御する神経回路および分子メカニズムを明らかにしようとしています。我々は、脳や脊髄の特定の神経回路にGal4を発現するトランスジェニックフィッシュを多数作製し、Gal4-UAS 法によりそれら神経回路の機能を阻害し、行動異常の解析を行っています。また、カルシウムイメージングによりそれら神経回路の活動を可視化する研究を精力的に行っています。